賃上げが出来る大手と賃上げが出来ない中小企業

大手企業は85%が賃金アップ

私の賃上げはどこへやら。

賃金アップ等の実態調査結果 企業の85%「賃上げ」も実感乏しく
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20151203-00000191-fnn-bus_all

この間のニュースで企業の85%が賃上げを実施したとの調査報告が。と思ったら100名以上の企業に対しての調査でした。

IT業界ももちろんの事、この調査に沿うところがありまして、まあ大手さんは比較的賃上げが実施されているんじゃなかろうかと思います。 ただほかの業界でもそうかもしれませんが、IT業界なんかはモロにピラミッド構造になっているのでなかなか賃上げが下請け企業にまで回るようにはなっていません。

IT業界での賃上げの波及

エンド顧客の内情
仕事はあるんだけど別に支払える額が増えているわけじゃないから…。と基本的に今までと発注額は変わっていない。それに自分のところの社員に還元しなきゃいけない風潮になっているから、社員の昇給はするけど発注額は上げられないよ。
(仕事の発注:過去同額 社員昇給:あり)

↓ マージン差し引いて発注

元請の内情
仕事の数は増えているけど…、利益率が良くなっているわけじゃないからなかなか下請けに回せる額は増やせないな。まずは社員の昇給をしていかないと、社員も離れていっちゃうからね。
(仕事の発注:過去同額 社員昇給:あり)

↓マージン差し引いて発注

孫請けの内情
他社さん同様に仕事は貰えるんだけど、うちも社員が空いてないからなかなか対応も出来なくてね。だから社員の還元もしなきゃいけないけど、全員というわけにもいかないな…。
(仕事の発注:過去同額 社員昇給:一部あり)

↓マージン差し引いて発注

ひ孫請けの内情
仕事はうちにも回ってくるけど、社員も空いてないし、貰える額も増えているわけでもないし…。利益が増えないから社員に還元も難しいな。
(仕事の発注:過去同額 社員昇給:厳しい)

↓マージン差し引いて発注

更に下で請けている会社の内情
ムリゲーです。詰みそうです。
(仕事の受注:過去同額 社員昇給:無理)

下請けになればなるほど昇給が出来ない構造

上記で書いた通り、今に始まった話ではないんですが基本的にIT業界は多重構造のピラミッド型です。他の業界もそうだとは思いますが、やはり賃上げの波及というものは上の方(大手さん) から始まっていくもので、それが時間を掛けて広がっていく事で下請けの方まで潤っていきます。ただまあそれも相当売り上げや利益が改善していればの話で、まずは自社の社員の給与改善。そして下請け業者への賃上げをしていくという流れになるんですが、自分のところの社員の給与アップをすればそれだけで資金的な余裕は減っていくわけです。

またリーマンショックの時の影響は経営者にとって色濃く残っており、現在の世界情勢を見ていても中国経済が不安定である事やISISやシリア情勢、アメリカの利上げなど世界恐慌が突然始まり日本も巻き込まれてしまい、再び不況に陥る事が十分に考えられます。そうなると経営者としてはもしもの為にお金は手元に置いておきたいもの。となると賃上げと言われてもやすやすと踏み切れないのも正直なところです。でもやるならまずは自社の社員から…。となると、なかなか下請けにまでお金は回ってきません。それが孫請けやひ孫請けとかになると、そもそもお金が波及して来ません。
そんな状態なのに中小やゼロ細企業にとっては難しい話です。

中国バブル崩壊「世界大恐慌」の可能性
http://president.jp/articles/-/16418

会社としてはより上の立場で仕事を受ける必要がある

と、言っても中小やゼロ細企業はどうしようもない…というともちろんそんなわけでもありません。 さらっと考えられる対策をいくつか挙げてみました。

商流の改善

これは日頃から常に考えておかなければならない事柄の一つでもありますが、自分たちが受ける仕事の条件を良くするために商流を改善していく事が当然ながらに一つの解決策となります。少しでも大手に近いところで仕事を受ける事が出来れば、もちろんそれだけ支払われる金額も良くなっていきます。ただまあそれが簡単に出来れば苦労はありません。商流を改善していくためには…。

  • 一定の資金力がある(会社としての信頼)
  • どんな仕事でもこなせるような技術力の高いエンジニアを抱えている
  • そもそもの営業力がある

などと、会社としてもある程度の力を持っていないとなかなか良い立ち位置で仕事を受ける事なんて出来ないものです。何かしらが欠けているだけで、取引にならないことも多々あります。ただ商流(仕事を受ける立ち位置)が改善すれば、今回のような問題は解決する糸口には確実になります。

社員の育成

IT業界の肝となるのはやはりエンジニアです。
顧客先への常駐型(人出し)をするのであればエンジニアが重要になるのは当然のことながら、パッケージを作ったりするのも結局はエンジニアが作らなければパッケージは作れませんし商品になりません。顧客の仕事を持ち帰って作るにしても、作るのはエンジニアです。もちろん開発のみならず、インフラ事業を行うにしても同様です。となると会社として力を入れなければならないのはエンジニアの育成です。エンジニア社員を育成すると簡単に言っても、多大な労力とコストも同時に掛かります。ただ会社として最も重要な財産でもあります。ここに投資をケチらない判断は必ず必要になってきます。

結果としてはやっぱり中小企業はピラミッド構造の問題で苦しい

結局のところやっぱり業界の構造上として上の方に立っている大手さんはある程度は潤うのですが、その下についてくる元請以下の会社については下に行けば行くほど苦しい状況になります。その中でなんとか成長を遂げた会社が徐々に規模を拡大していく事が出来るというのが基本的な状況ですが、やはりそこまで立ち行かず倒産する会社も少なくはありません。ただ中小企業として成長するために必要になるポイントさえ抑えてしまえば、基本的には会社としても成長していく事は可能です。

抜本的な問題は業界全体でも問題でもあるので、民間のみならず国も対策に乗り出して、より良くなっていけば良いのになぁと感じる次第ではございます。はい。

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