派遣法改正に伴う7つの想定と問題

派遣法改正で発生すると思われる想定

前回の記事の続き的な感じです。

IT業界が激変する(かもしれない)派遣法改正

じゃあ派遣法が改正されるとIT業界としてはどういった動きになっていくのか。7つの想定を挙げてみました。内容に不備があったらごめんなさい。

1.派遣契約への切り替え、派遣契約の増加

もちろん派遣契約は増えます。人によってはなんで派遣契約が増えるの?特定派遣なくなったら派遣で出せる企業が減るんじゃん??って考えてしまう人もいると思いますが、そもそも国としてはゆるい届出制(特定派遣)が怪しい契約を産んで、更に多重構造化してしまった事を問題としてあげているので、国からはSIerとかには直接的に派遣契約をする事を奨めていきます。なので業界的にも派遣契約で直接Sierや顧客との契約が増えることとなります。

2.請負契約の増加

派遣法改正が行われれば請負契約も増えるでしょう。一括請負契約をしてしまえば、自社で商品を完成させる義務が発生するのでそれなりにリスキーです。いや、かなりリスキーです。ある程度の余力がある企業がやるべき仕事です。ちゃんと責任を持って決まった予算内で物を作って納めるという事が出来ない中小企業はたーくさんあります。というか大半がそうです。それだけの技術力も人材も足りてないし、育成も出来てないし、エンジニアさんが育ってきた!と思ったら退職してしまって泣くに泣けないってこともよくある話。まあそれはともかく法令遵守で行くのであれば請負契約は一つの方法となります。

3.SES契約、再委託、準委託…などなどのよく分からない契約が減少する

グレーとおっしゃる方もいるようですが、下記はアウトです。

エンジニア所属元→(再委託)→A社→(派遣契約)→SIer

でもこの商流で契約をしているところが意外とまだまだ多いです。出向とかそういうのも駄目です。アウトです。この契約関係は今後さらに淘汰されるでしょう。となると直接的に派遣契約をしなければなりません。

4.零細企業の倒産、M&A、合併など

上記の再委託などの契約が無くなる事で取引先が無くなってしまい、派遣でも出せなくなってしまいどうにもならなくなってしまう会社も出てくると思います。そういう企業は倒産か合併する事になっていきます。一般派遣も取れず、請負契約も出来ず、取引先も無く、資金の余裕もなく…。ってなると八方ふさがりですね。想像するだけでぞっとする…。

5.エンジニアがさらに流動化する

上記のように会社が倒産するとかって話になると、じゃあこの会社を辞めて他に移ろう。なんて動きが活発化します。今まで以上にエンジニアの動きが流動的になるかもしれないですね。

6.グレーな取引の増加

政府からしたら悪い方向に動いた場合の想定になります。こっそりこっそり多重派遣とかあの手この手を使って法の穴を探して使おうって企業も出てくると思います。どんな手を使うのか知りませんけど。

7.契約方法の変更に伴う現場の混乱

各社の契約形態を変えなきゃって動きで今まで常駐していた現場から引き揚げなければならないエンジニアさんも多数出てくると思います。となると現場としてもたまったもんじゃない話です。重要なポジションだったエンジニアさんが動いてしまうような事があれば、現場としては大慌てですね…。しっかり後継者を育てられていれば問題はないんですが…。ただ外注ばっかりに頼ってやっている現場が非常に多いので、まあそうもいかないですよね…。

中小企業が取るべき対策

これらの派遣法改正に向けて中小企業はどう対処していくべきでしょうか。
まだ見えない部分が多いので具体的な対処方法に手を付けていくのは時期早々である可能性もあるのですが、対策をしておけばよかったと後の祭りになってしまうのもそれはそれで問題です。そこで考えられる中小企業としての対策を考えておきましょう。手の付けれる範疇については出来る限り行動に移していく事が大切です。

1.一般派遣が取れるかどうかのチェック

まず「一般労働者派遣事業」の条件を満たして自社で一般派遣を取れるかどうかを確認しましょう。

事業資金
1事業所当たり1,500万円以上
基準資産額≧2,000万円×事業所数

事業所面積:約20㎡以上

実態調査:あり

更新:あり

まだ事業として始めたばかりの企業にとっては事業資金が一番のネックになります。資産として増資出来るなら良いのですが、ただ銀行からお金を借りればいいって話でもないので悩ましい所です。また実態調査も行われて、経営状態についても確認をしてきます。
また直接的な関係はないのかもしれませんが、労基の抜き打ち監査も入ってきます。(弊社は抜き打ちで突然来たようです)直接的な関係は分からないので何とも言えないのですが、一般派遣を取って監査対象になっているので、無関係ではないと思われます。

2.将来的に派遣契約となる顧客がいるか

現時点で客先常駐している取引のある各企業に調査をしてみましょう。近い将来派遣契約への切り替えを検討しているかどうかという点です。近々で派遣契約に切り替わってくるのであれば、それに対して自社がどう対応するのかを早急に検討する必要があります。

A.一般派遣が取れる場合

取得条件を満たしている企業で、今後も派遣契約で客先常駐を継続していく方針を掲げているのであれば、まずは一般派遣の取得を行いましょう。もちろんその分のリソースや時間確保は必要となります。それなりに時間は取られる覚悟をしておいて下さい。特に資本増強など必要なく手続きを進めるだけで申請ができそうであれば問題はありませんが、資本増強などが必要であるなら株主と相談がまず第一歩となりますね。

B.一般派遣が取れない

さて、中小企業での問題は下記の状況になった場合です。

「一般労働者派遣事業」が条件を満たせないなどを理由に取得が出来ない
取引先からは派遣契約を求められている

もちろん一般派遣を取らないで派遣契約を結ぶのは違法になります。その為に下記のいずれか方法で事業を継続していく必要があります。

請負契約を結ぶ

派遣契約ではなく、業務請負契約を結ぶのもひとつの方法になります。ただこの場合「仕事完成義務」が発生します。つまり決められた納期までに商品を納める必要があります。その責任を負う契約となってしまうために、人的な投資を求められる可能性が高まります。結果として高いリスクを負うこととなります。
(スケジュール通りに開発が間に合わず、エンジニアの増員をかけることでお金がかかってしまう、最悪持ち出しをしてでも商品を完成させなければならないということです)
それだけのノウハウと技術力があるのであれば問題はありませんが、ノウハウもなく請負契約を結ぶということはあまりにもリスクが高い話になってしまいます。請負契約を結ぶのであれば十分な検討をした上で進めることをオススメします。

とりあえずはSES契約(準委任)の継続

先にお伝えしておきますが、SES契約とか準委任だとか準委託だとか再委託だとか…、良いんだか悪いんだかそれすらはっきりしない契約方法については当面継続していくと思われます。ただ黙認されているような状態であるという認識をしているので、オススメ出来る方法かといえば素直に「うん」とは言えないのが現状です。ただ顧客(それぞれの商流の位置があると思いますが)から当面は準委託での契約も求められるかと思います。一旦はそのまま繋いでいくのも一つの手ではあるかと考えています。今後どうなるのかわかりませんが。

M&A検討

最終手段的な方法になってくるのがM&Aという方法になってきます。事業の継続が難しいと判断するのであれば、社員の雇用を守っていくために一定規模と資産を持っている会社と合併するという手も考えられます。少なくとも今後今まで以上にそういった判断をする企業は出てくるのは間違いないと思っています。

最後に

サラっと書いてみた派遣法改正についての話でしたが、今後の動きやなんやかんやはあると思います。思い立ったとき、またもうちょっと深堀をした記事も書いていきたいとは思っています。

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